6Aとの対談

© David Grandorge

2012年10月に予定されたロンドン初の Arper ショールームのオープンに向け、ロンドンの建築スタジオ6A Architects の建築家、 Tom Emerson(トム・エマーソン)氏とのコラボレーションが目下進行中です。

6A Architects 流の建築に対するアプローチとは?
私たちは常に場所、コンテクスト、クライアント、そしてそのニーズを考えたアプローチを取っています。目指しているのは、繊細で、どちらかというとミニマルな空間作りです。そのアイデンティティを形成するのが材料の使い方やディテールです。特徴的でありながら、使い手に対して建築家側の意思を押し付けることのない空間を作りたいと思っています。

インスピレーションの源は?
自然、芸術、そして文学ですね。ですが日常生活にある細かな事柄も同じように重視しています。特にある場所や心理状態に対する人間らしい応答に気づくようにしています。その意味において私たちが大きな影響を受けたのがアーティスト、Richard Wentworth(リチャード・ウェントワース)です。

今回のショールームのコンセプトは?
さまざまな白系の色調による色々な素材をセメントの骨組みの中に入れ込んだ直線的建築空間でステージの垂れ幕のような雰囲気を作り、その中で家具を見せることを目指しました。天然の石灰によるしっくい、ブリーチホワイトオーク、プレス鍛造つや出しアルミニウムを使うことで、2面が道路に対して開いた繊細で洗練された空間に生命感を宿らせます。建築空間とインテリアが直接しっかりとつながり合う空間を目指しました。ドア、鉄製の部材、上枠、腰板と言った二次的な建築ディテールは排除し、空間、光、インテリアとの間に、シンプルでありながら力強い関係性を作るようにしています。

この空間と、この地域にまつわる歴史的背景とは?
このショールームは近年建築とデザインの中心地となったイーストロンドン、Clerkenwell(クラーケンウェル)の中心に位置しています。昔は腕時計や科学器具といった精密製品が作られていた場所で、ロンドンのイタリア地区として知られています。そういった背景もあり、この場所には工業建築が多く建てられています。
クラーケンウェルでも特に目立つ一角にありますので、透明性と可視性が非常に重要です。賑やかな通りに対して落ち着いた建物としたいと考えました。

Arper とのコラボレーションはいかがでしたか?
Claudio Feltrin(クラウディオ・フェルトリン)氏と、デザイナーのアルベルト・リエヴォレ氏と初めて顔合わせをしたときに、全員文学好きで、特に Italo Calvino(イタロ・カルヴィーノ)の大ファンだということが分かりました。建築、デザイン、インテリア好きなことはもちろんですけれどね。Arper さんとお話しすると常に包括的な会話になります。デザインに留まらず、色々なテーマに触れていく中で、自分たちが今どのような課題に向き合っているのかがよりよく把握できるようになります。
私たちは、最新のプラスチックの使い方、スチールの精密な加工、レザーの張り地のていねいな手仕上げといった Arper さんの技術、そして Treviso(トレヴィーゾの地域)ならではのすぐれた手工芸の活かし方を深く尊重しています。そうしたことがありながらも、昼食時ともなれば社員の方々が全員一緒に集まって食事を共にしています。
見識、イノベーション、手工芸、そして生活品質を完璧なバランスで融合させていると思います。

6A の考える建築とインテリアとの関係とは?
自由でフレキシブルな関係性であるといいですね。18 世紀、ガス灯やセントラルヒーティングができる前の時代の家具は、暖かい暖炉のそばや、日中であれば明るい窓際に移動させて、外から入ってくる光を取り入れながら使うことができるよう、とても軽く作られていました。私が好きなのはこうしたシンプルな建築の発想です。そのときどきで変わる必要性に応じて家具を動かすというわけですね。その点、軽く、美的にも機能的にも優雅に作られた Arper さんの家具は完璧です。

良質のデザインを成り立たせるものとは?
軽さ、精確さ、シンプルさですね。

ロンドンショールーム
2012年10月オープン
ロンドン EC1M 5PA
11 Clerkenwell Road(クラーケンウェルロード 11)

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