JAMES IRVINE
との対談

James Irvine© Studio Irvine

デザインに対してどのようなアプローチを取っていますか?

私にとってデザインとは、絶え間なく進化するものです。プロジェクトごとにニーズや要件が異なりますから、多様なコンテクストにおいて表現をすることになります。デザインに対する私のアプローチは必然的にそのニーズを中心に形成されます。

デザイナーはフレキシブルでなければなりません。デザイナーが譲歩する瞬間が面白いなと思います。現代のデザイナーは巨大なエゴを持っています。一方私が好きなのは「知られざる英雄」の作品としてプロダクトを考えることです。

Juno(ジュノー)コレクションのインスピレーション源は何でしたか?

当初から空気注入式の型押しで一枚板の椅子を作るという発想がありました。一番の課題は、デザインの全工程においてこの技術を使うことを考慮したプログラムを作り上げることでした。

デザインの点では、美しさのみならず軽さを出すためにスリムな椅子にしようと考えました。無意識のうちに実際に使っていた言葉はもっと普通なもので、それが無垢材か合板で作る、ということだったのです。形は無駄のない明確なものにしたいと思っていました。軽やかでほっそりとしたシルエットにするため、脚の外側の縁はわずか 8mm にしています。この幅を椅子の中心に向かって徐々に広くしていくことで脚に安定感を与え、全体の作りをまとめています。横から見ると薄い椅子にすることで、全体をより軽やか見せる戦略です。これを可能にしたのが空気注入式の型押し技術です。この技術によってプラスチックが非常に精巧に成形することで、私が大切にしたかった緻密さ、技術、クラシックなコンセプトをまとめて実現することができました。

Collezione Juno - design James Irvine© Marco Covi

プラスチックを選んだ理由は?
プラスチックを使うと非常に流動的な形も自由自在に作ることができます。何でも作れるようになるというわけですね。それはやはり魅力的です。新しい技術を扱うときは大抵そうなのですが、最初はあらゆる可能性を夢中で模索し、その後、もう少し慣れ親しんだもの、もう少し自分が「良質なデザイン」だと思うものに近いものを目指していきます。技術を使うことで、シンボリックな形に革新を起こすことができますからね。
デザインプロセスでは、成形の仕方よりも、プラスチック素材そのものをしっかり検証するようにしました。

Juno は実用的でありながらエレガントで、また長い間使うこともできる椅子だと思っています。

デザインが良質なものと言えるのはどのようなときでしょうか?
完成したプロダクトに対してどんな反応や行動が見られるか、そのものを前にして、どんな反応が返ってくるかを観察するのが面白くなる一方なんです。あるプロダクトが成功するというのは、使い手が心地よいと感じるということです。人とデザインされたものとの間で繰り広げられる対話にじっくり耳を傾けることで非常に多くのことを学ぶことができます。

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