Play: Ichiro Iwasaki

 

Ichiro Iwasaki
Industrial designer

初めに、これまでのご経歴について教えてください。

東京生まれ、デザイナーとしてのキャリアはソニーでスタートしました。現在も東京をベースに国内外のクライアントとデジタルカメラやスマートフォン等の電子機器から腕時計、日用品、照明器具、家具などプロダクト全般のデザインを手がけています。

© Iwasaki Design Studio

ご自身のデザイン哲学を言い表すとすればどのようなものでしょうか?
また、それはArperの哲学を補完するものとして、どのように捉えていらしゃるのでしょうか?

「リスペクトとリアリティ」

まず歴史、文化、人を含めたクライアントの背景、そしてプロジェクトブリーフをリスペクトすることを大切にしています。そういうリスペクトがあるから思い切って変えていい部分(PLAY)と保守すべき部分が実感でき、私がプロジェクトで対峙すべきリアリティが見えてくるのだと思います。 このような意識がarperの哲学をどう補完できるかはなかなか意図してできるものではないですが、自ずと出てくる日本人らしい発想や思考というのは、どうやらarperにとっても新鮮であることが多いらしいです。我々にしかないフィルターを通してarperと向き合っているということそのものが良い相互作用を生み出しているのではないでしょうか。

© Maria Fallada

クリエイティビティや解釈、実験という観点からみたPLAY(遊び)は何を意味するのでしょうか?
また、それはご自身のお仕事とは関わりのあるものでしょうか?

私はインダストリアルデザインを通じて様々な産業と関わってきましたが、精密電子機器などの世界は細かな制約に縛られ、ここでいうPLAYのような余地はあまり残されていません。そのような、言わば対極を知っていると、よりPLAYの本質が見えてくると思います。つまり私にとってのPLAYは主題や目的、方法ではなく、あくまでも限られた制約の中で可能なことの探求です。例えて言うなら、Playはplayでもハンドルの遊び( The Play in the steering wheel )の中でのクリエイティビティーを意識しているような感覚に近いかもしれません。遊びだらけのハンドルは使い物になりませんが、遊びがないハンドルは心地良く使えません。ハンドリングを心地良くするために、どの程度遊びを入れるか、そこが私にとってのPLAYの意味かもしれません。

遊び心を仕事に取り入れているデザイナーについてはどうお考えでしょうか?
また、それは必要なことでしょうか?

遊び心の解釈にもよりますが、デザインの歴史はデザイナーの探究心や信念によって動かされ、時代をつくってきたのは事実です。飾りのためでなく、欠かせない要素としての遊び心は、ある種の共感やオリジナリティを生むのだと思います。ただし、これは経営者、企画、エンジニアなど製品開発に関わる人すべてに求められる感性だと思います。メーカーやブランドの方向性に直結しているからです。遊び心、つまりクリエイティビティはデザイナーの主張や表現としてではなく、開発に関わる人や使い手にも共有されるものであるべきです。

© Maria Fallada

PLAY(遊び)はプロダクトの形に影響するのでしょうか、それとも使われ方、もしくはその両方に影響するのでしょうか?

もちろんプロダクトの形状や使われ方にも影響すると思いますが、プロダクトの周辺の雰囲気までもを取り込んだ感覚的な部分にこそPLAYの影響があるように思えます。例えば、人も同じようでいて皆違うのと同様に、家具でもArperらしいと感じる雰囲気や個性がありますが、その感覚を言葉では容易に表現できません。Arperに関わる人それぞれのPLAYという解釈が共鳴し合い、感性に響く「Arperらしさ」を生み出しているだと思います。

最後に、KIIK をデザインされた背景について聞かせてください。

異なるサイズのPoufが点在することで、様々な人々が集まる、多様な場を作り出した私の前作PIXのように、家具があることで生まれる場を意識して今回のモジュラーシステムをデザインしました。
現代のパブリックスペースというのは様々な人々の生活が混在する都市のように、静と動、慌ただしさと安らぎ、仕事とプライベート、気軽さと真剣さなど相反する要素が混ざり合った空間に変化しています。私は常々、ゆったりと腰掛ける典型的ソファの許容量ではこのような現代的生活スタイルに対応できないと感じていました。つまり、そのようなある種の混沌とした状況を受け入れるために、家具を人に合わせ、ソファーを従来の定義やコンテクストから解放したのが今回のモジュラーシステムです。座る、立つ、寝転がる、喋る、読む、書く、見る、食べる、待つ、考える、仕事する、休む etc.このような人々の過ごし方そのものを家具を通じて描いたモジュラーシステムです。

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