リエボレ・アルテール・モリーナ 対談

Lievore Altherr Molina© Studio Lievore Altherr Molina

デザインに対してどのようなアプローチを取っていますか?
私たちは常にコミュニケーションを出発点とするようにしています。デザインとは、私たちにとって対話や共有することであり、自己満足ではありません。デザインを通して伝えたいのは私たちの信じる、また私たちにとって重要な価値観、つまり調和と均衡です。
こうして私たちが作るものは、単なるスタイルの表現に留まることなく、独自の形の中に、いくつもの意味合いを凝縮したものとなっています。

Saya は、Arper ブランド向けに、家庭空間にインスピレーションを受けた椅子を作りたいと考えてデザインしたものです。素材には、家、つまり暖かさと生活というイメージに結びつきやすいウッドを選びました。
合板を使おうと考えたのは、その構造上、軽く、滑らかなものを作ることができるためです。

形に関しては、バックレストを、抱擁を思わせるような独自のラインで仕上げたことが特徴です。
形を決めるにあたっては、まず紙のミニチュア模型を作って、それを色々と折りながら検討を重ねました。最終的に曲線状の首を持った四つ足の小動物のような形に行き着きたとき、スペイン語で言う “que tiene alma” なもの、つまり、慈悲に満ちた人や生き物のように感情を伝え、感動させる力を持ったものができたと思いました。

それは私たちが保ちたいと考えていたクオリティーでもありました。私たちが目指していたのは、軽く、明確な形を持ちながらも柔らかで、例えば海の波に洗われてスベスベになった小石のように誰もが触ってみたくなるような魅力的なものです。

縁の部分を面取りしたのは、まさにそれを考えてのことです。
そしてシェルを完成させた後、今度は木の持つ可能性に逆行することなく、それを最大限に生かすためにどのような色を使えば良いかを考えました。そうして選んだのがナチュラルカラーとチークカラーによる木の仕上げ、そして白、黒、黄土色、さらに3トーンの赤でした。

私たちにとって赤は命を意味する色ですが、色と材料とを関連付けてくれるものでもあります。
木目仕上げ、カラーバージョンを問わず、この椅子は、単独で一点ものとしても、またはいくつかまとめて、明るく、リズム感のあるコンポジションとして使えるものであるところがいいなと思っています。

Arper Saya - Design by  Lievore Altherr Molina© Marco Covi

Arper プロダクト群における Saya の位置付けについてはどのように考えますか?
Saya は一種の意思表明だと思っています。木への賛歌ですね。天然素材を使っていることで、生命感が想起されます。他の Arper プロダクト同様、Saya も快適で、またさまざまな用途に使え、多様な環境に適します。ですが Saya には常に家庭的な暖かみを醸していてもらいたいと思っています。

質の良いデザインとは?
各部位が調和していることが、デザインの本質そのものだと思います。それは形、材質、色、機能の関係性、そしてそれらの要素が空間、場所、環境、文化とどのように関わっていくかという点です。デザインされたものは、常に周囲の環境と共存できるものであるべきです。そうでなければ、使えないとまではいかずとも、使いにくいものにはなってしまうかも知れません。Arper は、それぞれのコレクションが絶え間ない成長と進化を遂げるべく考えられたシステムであることを重視しています。

良質なデザインは人を夢中にさせるものです。理由は、バランスの完璧さ、アイコニックであること、力強さ、耐久性、融合性、官能性、独自性と、色々とあるでしょう。

デザインが良いというのは、ものの形がそれ以外にあり得ないこと、それ以外の答えがあり得ないことを言います。良質のデザインは永遠のものです。例えば木をくりぬいて作った単純なボウルを考えてみてください。世界のどこにでもあるものです。その形は、水などを汲んで飲むときに両手の合わさった姿を思わせます。

それ以上に普遍的な形などないでしょう。

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