物理的空間と仮想空間のエコシステム

COIMA Imageが設計を手掛けたSisalの新本社ビルには、1945年ロンバルディア州の州都に設立された同社の基盤となっている“常にイタリアの歴史と共にあり続ける”価値観が反映されており、その価値観が随所で引き立てられています。

この新社屋は、ここで働く従業員のウェルビーイングを何より優先することを目指し、共有、学習、つながり、イノベーションを育む物理的空間と仮想空間のエコシステムとして設計されています。

ロンバルディア州の州都にあるGenerali Real Estate所有のバッシ·ビジネス·パーク（Bassi Business Park）内に位置するこのビルは13階建てで、総床面積は9,000m2以上あります。1970年代に建設されたこの場所は、最先端の基準を満たしつつ、サステナブルな方法で全面改築されています。

Sisalの新本社ビルのレイアウトは、アイデアを生み出し、従業員一人一人のポテンシャルを引き出すことを目指し、“仕事をベースとしたアクティビティ”という指針に従ってCOIMA Imageによってデザインされました。その日に実施されるアクティビティに応じて予約·使用される複数の空間はこの指針が見事に反映された空間の一例となります。新しい仕事と生活のバランスを促進する心から“自宅”のように感じられる環境を生み出すため、オフィス、オープンプランの空間、ミーティングルーム、廊下、休憩·交流·休息エリアが絶妙に配置されています。

業務専用の空間かハイブリッド空間かを問わず、どの空間においても十分な照明と音響快適性が確保されています。またすべての空間で適度なプライバシーが守られています。カスタマイズ可能なモジュール式の家具は、ミニマルで安らげる自然なカラーを想起させるグリーンやブラウンといった温かみのある色調のカラーで仕上げられています。

Arperのコレクションには、Sisalの新社屋同様、柔軟性、軽やかさ、再構成できる仕様、色、環境への影響を重視した配慮といったデザイン言語が反映されています。屋内と屋外の両方に配置された“Adell”アームチェアをはじめ、温かみがあり刺激が得られる空間を創造するためインテリアに採用された“Leaf”チェア、“Saari”ソファ、“Kiik”システム、“Cila”チェア、“Cila Go”チェア、“Wim”コーヒーテーブル、“Saul”コーヒーテーブル、“Dizzie”コーヒーテーブル、“Pix”オットマンが、インクルーシブなアプローチでさまざまな機能面でのニーズと業務面でのニーズをサポートしています。

COIMA Imageのパートナー、ジャンマルコ・ボッキオーラ（Gianmarco Bocchiola）氏は次のようにコメントしています。「特にArperの製品は、その多くがEPD認証を取得しており、Arperの製品を選択することで当社は世界的に認められているESGポリシーに従ってクレジットを取得することができました。

新社屋のプロジェクトでは、サステナブルな家具を採用し、天然素材や管理された生産サイクルを優先し、水の使用量を減らし、高水準の照明と音響の条件を重視した他、業務用スペース（Commercial Interior）のカテゴリーでWELLブロンズ認証を取得し、インテリアレベルのLEEDゴールド認証を目指すことを可能にする要素も優先して取り入れました」

プロジェクトの中心的なコンセプトである“自然”は、ビルの中心を垂直に走る“緑地”を作ることで表現されています。すべての階の中心に配置された緑地は、従業員にとって安らぎを提供するオアシスとして機能しているだけでなく、特定の植物と木を通して空気を清浄する役割も果たしています。

最上階はカフェエリア専用フロアとなっており、フロアの周りをぐるっと一周する形で設けられた広々としたオープンテラスの空間からは、360度市内の絶景を見下ろすことや、ポルタ·ヌォーヴァの超高層ビルが創り出す美しい景色を見ることができます。地下階にあるジムやSisalの歴史に触れることができる広々とした美術館は、本社で働く従業員のためのエンゲージメントに関する方針を強化する空間となっています。