02 gennaio 2011
© ph. varianti.it
2010年8月29日から11月21日にかけて行われた第12回世界建築展において、 British Pavilion イギリス館 はヴェネツィアそのものをテーマとしました。この展示で芸術監督を務めた muf architecture/art スタジオからは、非常に明確な指示がありました。イギリス国内から持ち込むことが許されるのは、Lancaster University(ランカスター大学)の Ruskin Library(ラスキン・ライブラリー)から貸し出されていた19世紀の John Ruskin(ジョン・ラスキン)のデッサン帳だけだというのです。このデッサン帳とはラスキンがまさにヴェネツィアで買ったノートで、傑作 ""The Stones of Venice""(『ヴェネツィアの石』)の元となったメモが書かれたものです。
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その他の素材はヴェネトで探さなけばならないとのことでした(この指示は、もっと広義なメッセージを含んでいると言えました。デザインプロジェクトに着手するときは必ず、活動拠点を詳しく観察する必要があります)。 そこで、Arper さんとお仕事を共にし、イギリス館に Leaf (リーフ)と Palm(パーム)を使うというすばらしいチャンスに恵まれることになったのです。 Arper はヴェネツィアから20kmのところにあるトレヴィーゾ発祥の企業です。当初から、イタリア企業を中心とするサプライヤーのネットワークを活用し、世界中で愛される最高レベルの品質とデザインを持ったプロダクトを作る、地域型企業ではありながら国際色を持った企業としてその地位を確立しました。
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金属の構造で繊細にデザインされた Leaf はヴェネツィアの街と、周囲の環境との関係を探訪する Lagoon Room(ラグーン・ルーム)に欠かせない一部となりました。アトリエの中央にはヴェネツィアの工房 Spazio Legno によるテーブルを置き、来場者の皆様には、Arper 社の椅子におかけいただき、干潟に住む鳥たちのデッサンをしていただきました。.
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ヴェネツィア市立自然史博物館のご好意により、今では絶滅してしまっているものを含む鳥類の剥製をご提供いただき、建物の中から、外にある干潟とパビリオンの正面の屋外空間に配置されたプールの方向を見ているように見えるよう設置いただきました。およそ15m2のこのプールには干潟の塩分を含んだ水を満たし、ヴェネツィア特産のさまざまな植物が豊かに育つようにしました。
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自然科学者である Jane da Mosto(ジェーン・ダ・モスト)、Lorenzo Bonometto(ロレンツォ・ボノメット)両氏に作っていただいた奥行き9mのプールはイギリス館でも特に力を入れたプロジェクトで、ヴェネツィアの小学校から訪れた大勢の子どもたちも好奇心を持ち、熱心に見入っていました。 そのビエンナーレもいよいよ閉会を迎え、私たちも肩の荷が下りた気持ちで帰国致します。今回展示したものが、ヴェネツィアに残ることを願います。ラスキンのメモ帳とだけはカタログの一杯に入った箱だけはイギリスに持ち帰ります。ですが muf さんがおっしゃる通り、まさに今回のプロジェクトは Two way Traffic(往復交通)的な側面を持っていました。今回たくさんのアイディアを持ち帰ることができます。これはいずれ新しい形やものとなって生まれ変わることでしょう。
監修:Vicki Richardson(ブリティッシュ・カウンシル建築、ファッション、デザインディレクター、イギリス館代表委員)
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